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出雲人の語る出雲神話 和奈佐神社の巻

偶然車から鳥居が目についた
古びた石標と端正な鳥居に惹かれた
和奈佐神社とある 聞いたことがない
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・・・と。どこからともなく ある翁が現れた
こちらの姿を見かけてやって来たものらしい
いきなり この神社はねえ、とばかりに話だした。
つれだって石段を登った。登りながらも話している。

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羽衣伝説という寓話がある。丹後国風土記に記されている。
とんとん昔、丹波の国でのこと。天女が8人降ってきて 何を思ったか ある井で水浴をした。
ある老夫婦が、隠れてじっと見ていた。やるもんだ、そのうち羽衣を一着 とり隠した。
着るものがなくて帰れなくなった天女にむかって、どうか私の子になってください、と頼んみこんだという。
ちょっとひどい話だが ここは寓話としておおめにみよう。
娘はやむなく 老夫婦と一緒に住むこと十余年という。
その老夫婦の名前が和奈佐翁と和奈佐おみな。
この神社の祭神を和奈佐彦という。つまりこの翁であろう。
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天上界でも酒を好む。その娘は酒づくりが上手だった。
一パイ飲むとどんな病気でも取り除くことができた。
酒はどんどん売れて 和奈佐家は豊かになった。
が、巨万の富を得た老夫婦は もういらないとばかりに、娘を追い出したとされる。
ひどい話だ。これは許せないという人もいよう。
古今東西、金持ちになると人が変わる、富財無情という。
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この天女 追い出されて阿波の国にたどりつき、そこでまた酒づくりで成功した。
後、その一族はこの地と交流があり、分家として移り住んだという。
思いがけぬところで 羽衣の翁に出会うことができた。
社は 山の中腹にこじんまりとあった。
説明してくれたのは 神社近くに住む83歳の人のいいお爺さん。いつまでもお元気で。
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  by windyspace | 2013-03-04 21:26

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